「男性の、まっすぐで純情で、かわいらしいところ……愛すべき“おバカ”なところも楽しんでいただきたいと思います。女性はもちろん、幅広い世代の男性にもぜひ観ていただきたい」と意気込む。
「登場人物は小説家だけど、“オレは才能がないんだ”とか“アイツのほうが上手い”なんていう感情は、きっとどなたでも感じたことがあると思うので。まぁ、俳優さんは、だいたいそう感じてますけども(笑)」と、辛口ながらもコメントには愛情がこもる。“真実”はいつも甘くはないが、ウィットと知性で着陸するのが鈴木演出の妙味。たくさんの観客に愛されてきた本作を、改めてじっくりと味わいたい。
取材・文:佐藤さくら