くらし情報『生と死の境で、言葉の真実を見極める奇跡について思う 『フェイクスピア』観劇レポート』

2021年6月9日 17:00

生と死の境で、言葉の真実を見極める奇跡について思う 『フェイクスピア』観劇レポート

言葉によって「真実をつかんだ」と思い込むことの愚かさ……。生と死の境も曖昧とする野田の劇空間を思い起こしながら、思考がぐるぐると駆け巡る。

“言葉についての劇”、そこにある観念的な問いは、しなやかなたたずまいと表現で惹きつける高橋、軽やかさと豊かさを併せ持つ白石と橋爪の強靭な二大柱に支えられ、アンサンブルを含めた鉄壁の布陣によって見事に提起されていた。新作の度に、悔しいほどに衝撃をアップデートして来る野田の今回の試みは、ノンフィクションの強度から観劇後に違和感を受け取る人もいるかもしれない。それでも挑み続ける俳優陣の奮闘を、目撃せずにはいられないだろう。劇場は心揺さぶられる場所であることを、あらためて強く気づかされた時間でもあった。取材・文:上野紀子

NODA・MAP第24回公演
『フェイクスピア』
作・演出:野田秀樹
出演:高橋一生 / 川平慈英 / 伊原剛志 / 前田敦子 / 村岡希美 / 白石加代子 / 野田秀樹 / 橋爪功 / 他

★チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2170305

【東京公演】
2021年5月24日(月)

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