2022年1月12日 12:00
精巧な再現展示で伝統芸能ならではの舞台空間を体感できる『体感!日本の伝統芸能-歌舞伎・文楽・能楽・雅楽・組踊の世界-』開幕
再現展示は、大盗賊・石川五右衛門が主人公の『金門五山桐』の、南禅寺山門の舞台装置。天井から垂れ下がった桜など、細かいところまで作り込まれており、鑑賞者は舞台に上がりこんで細部まで鑑賞することができる。
役柄によって細かく変わる歌舞伎の隈取を浮世絵の展示を用いて解説
また、日本最古の映画で国の重要文化財にも指定されている『紅葉狩』(1899年)も展示室内で上映。明治時代の名役者と謳われる九代目市川団十郎と五代目尾上菊五郎の演技が見られる貴重な映像は必見だ。
第二章の「文楽」は、大阪で生まれた伝統芸能で浄瑠璃(語り物音楽)に合わせて人形が演技を行うもの。3人がかりで一体の人形を操作し、細やかな表情や繊細な動きで人々の心をひきつける。
同展では、実際に使用されている人形や、人形の頭部などを実際の映像とともに展示。人形を操作しやすくするため、穴が随所にあけられている衣装や、演目によって変わる頭部など、めったに見られないものが並ぶ。
文楽で使用されている衣装。
背中と脇に穴が空いている
演目により挿げ替える人形の頭部
再現された文楽の舞台は、裏側から見ると黒衣がどのように人形を操っているかがよくわかる。