2022年5月18日 07:00
昆夏美×屋比久知奈 キム役対談【『ミス・サイゴン』連続インタビュー第1弾】
(稽古場では)各々のマスクスタイルができ始めてます(笑)
――具体的に、それぞれキム役のどんなところに惹かれて目指されたのですか?
屋比久まず作品自体が衝撃的でしたし、エンジニアもそうですけど、キムもすごく人間臭いなと思ったんですよね。ただ純真でピュアなだけじゃなく、大切なものを守るためなら汚いこともいとわない。命や愛や戦争といった、苦しいけれども向き合わなければいけない色々な問題に、向き合うきっかけをくれる作品であり役だなと思います。
昆私はシンプルに、観終わって初めて立てなくなったのがこの作品なので、自分もそういう衝撃を与えられるような女優さんになりたい、という思いがキム役への憧れに直結しています。でもいざオーディションに受かったら、自分にはあんな衝撃を与えられる実力も経験もないから無理だって、怖くなってしまって……。あんなにやりたかった役なのに素直に喜べなくて、でもそんなこと言ってたらいつまで経ってもやれないって、腹を括って挑んだのが2014年でした。憧れの役って、その重要性が分かってるからこそ、演じるのは決してラクじゃないなと思います。
屋比久私も役をいただくといつも、果たして私に務まるんだろうかって考えてしまいます。