2021年10月26日 17:00
「素晴らしい曲が鳴っている時、誰もあなたに手を出すことはできない」映画『ビルド・ア・ガール』が描く音楽の魅力
彼女は「映画と同じように、私の父もミュージシャンだった。私は音楽ジャーナリストになったけど、これも映画の中で起こったことと同じ」と振り返る。
劇中でジョアンナは音楽ジャーナリスト稼業の第一歩を踏み出すべく、人生で初めてライブハウスに足を踏み入れる。時代はオアシスやブラーがしのぎを削ったブリット・ポップ前夜。ジョアンナはそこでマニック・ストリート・プリーチャーズのライブを目撃するが、原作者のモランが生まれて初めて見たライブはなんと!スマッシング・パンプキンズのイギリスでの初公演だったそうだ。映画の舞台は1993年なのでアルバム『サイアミーズ・ドリーム』が出たかどうかの頃。世界中をニルヴァーナが席巻する中、スマパンが人気を拡大していった時期のステージだ。「私は音楽ジャーナリストして、お金をもらって生まれて初めてのライブに行ったのよ。
今思えば、恐ろしいほど不適格だったわ。何が起こっているのかもわからないのに、自分の意見を書いてお金をもらうなんて」
モランも、彼女がモデルになったジョアンナもロックが好きな女性ではない。彼女は自身や家族の生活や人生を立て直すために、音楽ジャーナリストになる道を選び、結果として“ある方法”で大成功を収めることになる。