2021年6月22日 12:00
いよいよ公開『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』、撮影現場での田中圭の一挙手一投足を密着レポート!
本作の撮影は2020年の年明けにスタートしたが、まず撮影されたのは西方が1994年のリレハンメルオリンピック団体で銀メダルに輝き、会見に臨むシーンだ。一抹の悔しさもある中で、次こそは金メダルだと決意を新たにする西方。しかしケガと若手の台頭もあって、4年後の地元で迎える長野オリンピックでは西方は代表から外れてしまうことになる。
主人公らしくない主人公で、キャラクターではなく、どこまでいってもあくまでひとりの人間。劇中における西方を表する言葉として、田中自身が何度も語っていた言葉だ。アスリートとしての顔、妻も子もいる家庭人としての顔も持ちながら、つまりは人間であるだけに、嘆きもする。ふてくされもする。何より揺れ動きもする。
そんな西方を田中はナイーブにも男っぽく、血肉の通った人物として体現している。
裏を返せば、田中にしか演じられない役でもあるのかもしれない。生身の男の清濁合わせた等身大の感情をあらわに表現しながら、それでも憎めないチャーミングさ、それでいて体温が伝わるリアリティを醸す。役者・田中圭の本質にある魅力があますことなく伝わる作品でもあるのが本作だ。
例えば、夫、父親としてのシーン。