2021年6月22日 12:00
いよいよ公開『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』、撮影現場での田中圭の一挙手一投足を密着レポート!
団体の競技開始を前にしたテストジャンプを飛び終えて、スキー板を外す西方。ギャラリーもいるミックスゾーンで、顔を上げるとそこに妻の幸枝と3歳になる息子の慎護がいる。ふたりを前に、「俺、引退するよ」と口にする西方。それに対して幸絵は、ただひと言、「……うん」とだけ返す。
幸絵を演じるのは、これまでにも数々の作品で田中と共演してきている土屋太鳳。淡々としたやりとりながら、それぞれの言葉にできない思いもにじむ。そして、「じゃ、行くよ」とつぶやいて戻っていく西方。このひと言は台本にはなく、現場で田中が口にしたアドリブだ。
「じゃ」と「~よ」の優しさ。自然な言葉でトーンながら、近しい人にしか出さない素顔や見せない愛情が何より伝わってくる。優しさの裏で弱さや切なさも感じさせて、西方自身もいとおしく思えてくる。
後輩の前、仲間の前、妻の前、また子供の前で、それぞれ違う表情と口調を見せる西方=田中。そこにひとりの男のリアリティが漂う。何気なさにこそ、田中のすごさがある。
一方で、撮影の“舞台裏”でも田中は“らしさ”を存分に見せている。慎護を演じる子役の加藤斗真くんがお菓子に夢中になっていると、それこそパパのように後ろからハグしながら「(撮影が)