the dadadadys、最高のロックをぶち上げた『EP RELEASE TOUR』東京公演をレポート
そのセッションがだんだん密度を高めスピードを上げていき、「かき鳴らせ、削れ、焦がれるほど恋をしろ!」という小池の言葉とともに「OS!」へ突入する。ステージの上も下も組んず解れつ、すでに会場は最高潮である。その後の「PUXXY WOMAN」でも「にんにんにんじゃ」でもそうだったが、どの曲にもちゃんとオーディエンスの居場所があって、少しも閉じていない。小池の叫びや歌は、彼自身の心の中から放たれていると同時に、ここに集まった同志たちの心の代弁のようだ。

佐藤健一郎(b)
パンクに突っ走る「トリーバーチの靴」ではメロディに潜む切なさがどうしようもなく心を揺さぶる。この曲にしても、あるいは「暖かい都会から」や「奴隷の唄」もそうだが、the dadadadysで演奏される過去の曲たちはどれも水を得た魚のように躍動し輝いている。改めて、小池が過去とはまったく違うメンタリティで音を鳴らしステージに立っていることがまざまざと伝わってきて、そのことがthe dadadadysが始動して4年が経とうという今もなお感動的だ。
そんな感慨をさらに強くする「Pain Pain Pain」が続けて繰り出された。