the dadadadys、最高のロックをぶち上げた『EP RELEASE TOUR』東京公演をレポート
「どのくらい心の傷を抱えた人がいるのでしょう。ま、忘れて踊れ!」。小池の言葉に巨大なコーラスがフロアから生まれる。この曲に歌われている「痛み」が、小池だけでなくステージ上の5人とオーディエンス全員で等分されていく感じは、痛いけどとても幸福なものだった。
「オーイェー、dadadadysです!」。この日何度目かの名乗りは、まるで「おまえらもdadadadysだ」と言っているように聞こえる。どっしりとしたギターサウンドにのせて、「気づけば年末になり、またひとつひとつ歳を取っていくんですけど、やっぱり言いたいこともやりたいことも変わりません」というと「青二才」を披露し、そのまま「(許)」へ。さらに、yuccoの声と山岡のギターがユニゾンするイントロから「あっ!」に入ると、フロアから〈イケてない〉の声が上がった。
ステージとフロアの連帯感は、ライブが始まったときの何倍も濃く、強くなっている。

yucco(ds)

山岡錬(g)
ライブ後半に入ると、小池はさらにすべてを曝け出すようにして音楽を奏でていく。「メアリー、無理しないで」を終えて天を仰ぎ手を広げた彼は、「どうかdadadadysのジェットコースターに振り落とされないでください。