「恵比寿映像祭2025」開幕レポート アピチャッポン、小森はるか、小田香らの作品を通して「ドキュメンタリーとは何か」を問う
総合開館30周年に当たる東京都写真美術館全館と恵比寿各所を会場とする映像フェスティバル「恵比寿映像祭2025」が1月31日(金)に開幕した。小田香、角田俊也、林勇気、アピチャッポン・ウィーラセタクン、トニー・コークスら11の国と地域から39人の作家が参加し、展示や上映、ライブ・パフォーマンス、トーク・セッションなど多彩なプログラムが2月16日(日)まで行われる。

アピチャッポン・ウィーラセタクン《Box of Time》より
多様化する映像表現やテクノロジー、社会状況の変化などさまざまな視点で「映像とは何か」を考える恵比寿映像祭。17回目を迎える今年のテーマは「Docs ―これはイメージですー」だ。「Docs」とは、書類や記録物を意味するドキュメント(Document)の略で、ドキュメンタリー(Documentary)映画祭といった名称にも使われる言葉。ドキュメンタリー映画といえば、事実を記録した映画だと思われるのが常だが、フェイクニュースなど情報の取り扱いが課題となる今、何がリアルなのか、事実とイメージの関係を丁寧に解して考え直さなければいけないのではないか、そんな問題意識から設定されたという。