2021年12月13日 12:00
梅沢富美男が「人情芝居に歌と踊り、どれも満足いただける」と自信、泉ピン子と明治座で新年祝う
台本に書かれたことを繰り返すだけの役者もいる中で、「同じ方向を目指して芝居できる女優さんだな」と思いました。
泉私はね、梅沢さんの座長ぶりを頼もしく見ていましたよ。座員を叱らないで、まず「いいよ」って肯定するの。否定から入る人もいるけど、梅沢さんはいったん受け止める。それから「こうしたらもっとよくなるよ」って前向きに指示するんだよね。そんな梅沢座長を目の当たりにして、丹羽(貞仁:共演者のひとりで、二代目大川橋蔵の息子)くんと「梅沢富美男劇団に出させてもらうわけだから、まず梅沢さんを“座”と呼ぼう」って約束しました。森繁久彌以来ですよ! とにかく器が大きくて、漢気(おとこぎ)があってね。
難しくても、人情芝居を追求したい理由
――おふたりは、笑いあり涙ありの人情喜劇「富美男とピン子の泣いて笑って霧の雨」をどのように立ち上げたのでしょうか?
梅沢嫁姑の確執って令和になってもメジャーで、時代を問わず普遍的なテーマですよね。
お客さんの隣にあるような身近な題材だからこそ共感してもらいやすい一方で、見せ方に緻密な工夫がいる。そういう意味で、人情芝居って特に難しいんですよ。
泉梅沢さん、二役だもんね。