YUKI、シアトリカルな演出で魅せたホールツアー“Terminal G”完走「私は幸せ者です」
会場は昨年オープンしたばかりの劇場型ホール。高い位置の客席まで全体を見渡しながら初めてのホールで歌う喜びを伝える。いつものように観客と相互コミュニケーションはとれないが、YUKIは一人ひとりに語りかけるように話す。
アルバム『Terminal』は10枚目のアルバム。YUKIは今年でソロ活動19周年を迎えた。1stアルバム『PRISMIC』の頃は曲が12曲しかなく、ライブの選曲やパフォーマンスで苦労していたと懐かしい記憶を振り返る。今回はアルバムのリリースツアーではあるが、これまでに生み出されたたくさんの曲の中から披露していくので楽しんでほしいーー。
そんな話をしていると突然大きな電話のベルが鳴る。
YUKIは「そっちの世界にいる誰か」との会話を始めた。どうやら今、このコンサートの様子が見えているらしい。しかし話途中で電話は切れてしまう。今回の公演は3つのパートに分かれており、合間にYUKIと「そっちの世界にいる誰か」との対話、つまり寸劇が挟まれる構成になっていた。
気づけば舞台は大きな窓のある部屋のような造りに。斜めの窓の先に広がる部屋の遠近感がトリックアートのようでもあり、視覚的な違和感がパラレルワールドに迷い込んだような心地にさせる。