くらし情報『日本の劇団『十二人の怒れる男』が開幕。各劇団を代表する俳優たちの、個性ぶつかり合う緊迫の密室劇』

日本の劇団『十二人の怒れる男』が開幕。各劇団を代表する俳優たちの、個性ぶつかり合う緊迫の密室劇

作業着の男は、栗原功平(劇団スーパーエキセントリックシアター)。ずっと真面目に生きてきた人物のようだが、少年の運命を決める重いやりとりを冷めた目で眺める姿が印象的。佐藤文雄(劇団銅鑼)は杖をついた年配の男性を演じ、弱い者の立場に立った発言で皆の心を動かす。豊田茂(劇団青年座)は強面の印象だけに、有罪の立場をどう覆させるのか、注目させられる。畑中智行(キャラメルボックス)は、少年の無罪を確かなものにしようと、緻密な分析と静かな熱をもって訴え続け、密室劇をどんどん前へと進めてゆく。牧田哲也(柿喰う客)演じる男も、少年の先々より、この後のヤンキースの試合に間に合うかどうかが大事。全会一致となるまで部屋から出られないことへの彼の苛立ちに、いたく共感。大柄で独特の存在感を放つ横道毅(花組芝居)が演じる、たびたび苛立って声を荒らげる男も、少年が有罪であるという立場をなかなか捨てられず葛藤する。


ひとりを除く全員が少年の有罪を当然と考えていた状況から、全会一致で無罪という結論を導き出す道のりは、平坦ではない。根底にあるのは、推定無罪。こんな短時間で少年の生き死にを決めてしまってもいいのかということから始まり、投票、挙手を重ね、現場の再現を重ねる。
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