と彪我。「じゃあ、歌わない?歌だったら伝えられるかと思って」。
言葉の代わりにギターのどこか物悲しい音色が響く。『またたび』だ。彪我のギターに雅功のギターの音色が重なる。音に少しずつ温かみが戻ってきたような気がする、のは2人の演技に魅せられているからだろうか。そして『別れた後に僕が思うこと』。別れた恋人への想いを歌った曲だが、今は雅功と彪我の「謝りたくてもうまく謝れない気持ち、すれ違う気持ち」を表現しているかのようだ。切なげに雅功が歌い上げる「好きだよ。ありがとう。ごめんね」。2人に必要な言葉が、歌の中にはあった。
2人の仲直りには『My Sunshine』。夜明けを現すような照明の色が会場を彩り、2人を、客席を照らす。ようやく向かい合い、2人で「一緒に歌う楽しさ」を嚙みしめる。そして、青々と葉を茂らせていた大きな木には、ピンク色の花が咲き誇る。
2人で歌うのが一番!
「2人でギターを弾いて2人で歌っているときが一番だわ」と雅功が言えば彪我も「だね」と微笑む。そして「大好きなみんなもいるし」と笑顔で客席を見回した。
雅功が伝えるのはこの1年の葛藤と愛だった。
「会いたくても会えない日がずっと続いていて。
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