風間杜夫、シリーズ8作目のひとり芝居で動き回り歌いまくる。その軽やかさに刮目せよ!
でも、あるとき記憶をなくしたことをきっかけに、いろんなところを転々とするようになって、人と出会ったり別れたりする人生を送っている。仕事は、自分の特技の歌を活かして行く先々で見つけては何とかやっていて、今回も、歌う結婚式場の司会者をやっているという設定になっています。そして、自分でも言ってますけど、お調子者なんですよね。人に乗せられたり、頼まれたり、何かっていうと「よし、じゃあ俺がやってやろうじゃないか」と発奮する。そうやって今回もバンコクまで行くことになって、ぶつぶつ愚痴を言いながらも何とか決着をつけるんです。だから、別に際立って正義感が強いとか、そういう立派な人じゃないんだけど、いい人であることは確かだし。皆さんにも共鳴できるところがあるんじゃないでしょうか。定年のない人生を送っている自由人という意味では、私たち役者とよく似ていますね。
“面白そう!”を原動力に
──そもそもこのシリーズが始まったのが27年前。そのときはどんな気持ちでこのひとり芝居に挑戦しようと思われたのでしょうか。
挑戦というような気持ちはなかったです。ただただ面白そうだなと思ってやっただけで、ここまで続くとは思っていなかったんです。