吉澤嘉代子「もう胸がいっぱいです」デビュー10周年記念公演オフィシャルレポート
と朗読がスタート。タクシー運転手に扮した伊澤の「貴方を地獄へお連れしましょう…」という一言から、ライブ定番曲「地獄タクシー」へ。伊賀が奏でるコントラバスや武嶋のサックスのヒリついた音色が狂気を煽り、迫力のあるパフォーマンスに歓声が上がる。「麻婆」ではファンキーなアンサンブルに乗せて吉澤がキレのあるラップで魅了。観客も立ち上がり、麻婆コールで客席とステージが一体となった。
「ぶらんこ乗り」では吉澤が椅子に座り、情感あふれるサウンドに乗せてやさしく切なく歌い上げる。本を手にすると、物語を朗読してから「人魚」へ。人間に恋をして、想い人の心だけでなく命までも欲してしまう主人公。
痛ましい愛情が歌を通して胸に迫るようだ。続いて、翼をもがれた天使との命がけの恋を描いた「ルシファー」を披露し、会場は幻想的な空気に包まれた。
妖しさをはらんだ序盤とは対照的に、中盤では温かくファンシーな楽曲を届けていく。バンドメンバーが演奏を始めると、吉澤が舞台袖へ。爽やかなサウンドが響く中、バカリズムの小説ブログ『架空OL日記』の一節を朗読する声が聞こえてくる。朗読後、衣装チェンジをしてステッキを手にした吉澤が登場。