くらし情報『『没後300年記念 英一蝶
―風流才子、浮き世を写す―』レポート 風流にして才気あふれる絵師の多彩な画業と波乱の生涯をたどる』

『没後300年記念 英一蝶
―風流才子、浮き世を写す―』レポート 風流にして才気あふれる絵師の多彩な画業と波乱の生涯をたどる

興味深いのは、風俗画で人気を博した一蝶が、同時に優美な風景画や精緻な仏画、古典の画題にひねりを加えた戯画など、多彩な作品を描いていること、またその多彩さが活動の領域にも見られることだろう。松尾芭蕉に学び、その高弟・宝井其角(たからい きかく)らと親しく交わった一蝶は、「暁雲(ぎょううん)」の俳号で俳諧の世界でも活動しており、俳諧のもつ機知に富んだ視点が画作にも影響したと考えられるのだとか。その一方で、一蝶には、「幇間(ほうかん)」という一風変わった経歴もある。幇間とは、遊里に客を案内し、宴席の座をとりもつ太鼓持ちの役をはたす男性のことだ。

『没後300年記念 英一蝶
―風流才子、浮き世を写す―』レポート 風流にして才気あふれる絵師の多彩な画業と波乱の生涯をたどる

第1章展示風景左:英一蝶《雨宿り図》一幅個人蔵右:英一蝶《奈良木辻之図》一幅個人蔵(ともに展示期間:9/18〜10/14)《奈良木辻之図》は、奈良の遊郭に取材した初期作だ。
一蝶は47歳で三宅島へ流罪となるが、実はその流罪には、この幇間の役が関係していたとも言われている。将軍・綱吉の「生類憐みの令」を皮肉った流言に関わったために捕えられたと言われているが、実際のところは、幇間の一蝶が綱吉の生母の縁者を吉原の遊所に誘い、遊女を身請けさせたのが理由だとする説が有力なのだ。

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