くらし情報『『没後300年記念 英一蝶
―風流才子、浮き世を写す―』レポート 風流にして才気あふれる絵師の多彩な画業と波乱の生涯をたどる』

『没後300年記念 英一蝶
―風流才子、浮き世を写す―』レポート 風流にして才気あふれる絵師の多彩な画業と波乱の生涯をたどる

町人文化が栄えた元禄時代はまた、幕府財政の窮乏の時代だったから、大名らを贅沢な遊興に誘う一蝶は幕府から目をつけられていたのだろう。

江戸で華やかに暮らしていた絵師の流人生活はさぞや気の毒なものだったと想像に難くないが、意外なことに、島での生活はかなり自由だったという。罪状の大小により伊豆諸島での配流先の遠さが決まるが、三宅島は諸島の中では半ばあたりで、絵を描くことも自由だったし、其角ら江戸の友人たちとの文通も島民との交流も可能だった。
『没後300年記念 英一蝶
―風流才子、浮き世を写す―』レポート 風流にして才気あふれる絵師の多彩な画業と波乱の生涯をたどる

第2章展示風景英一蝶《吉原風俗図巻》一巻のうち部分1703(元禄16)年頃サントリー美術館(通期展示(場面替あり)/本場面の展示期間:9/18~10/14)
第2章「島一蝶時代」の展示品からは、江戸から注文を受けた一蝶が送ってもらった高価な画材を用い、華やかな風俗画を描いていたことが見てとれる。例えば《吉原風俗図巻》は、舟で吉原に向かう場面から遊興の場面まで、吉原通いを疑似体験できる仕立てとなっている。遠く離れた島にあっても、通い慣れた吉原の情景を生き生きと鮮やかに描き出しているのも見どころだ。一方、島民のためには、主に神仏画や吉祥画を描き、絵馬の奉納なども行なっている。

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