くらし情報『岡田将生、倉科カナ、麻実れいが描くいびつな家族像。上村聡史演出『ガラスの動物園』稽古場レポート』

2021年12月7日 12:00

岡田将生、倉科カナ、麻実れいが描くいびつな家族像。上村聡史演出『ガラスの動物園』稽古場レポート

だ。南部のお嬢様育ちのアマンダはかつての栄華を未だに忘れられず、子どもたちを無意識のうちに支配しようとしている過干渉な母親。すべてにおいて大げさで、芝居がかっているが、麻実は“芝居がかっているのに、リアリティがある”という人物を演じるのに長けている。そしてこの一家を覆う一種病的な空気を生み出しているのがアマンダであるのが一瞬で伝わる求心力。なのにチャーミングさもチラリと覗くところはさすがだ。

岡田将生、倉科カナ、麻実れいが描くいびつな家族像。上村聡史演出『ガラスの動物園』稽古場レポート

倉科カナ
空気を司るのがアマンダなら、一家の要は娘のローラ(倉科カナ)だ。脚に障害があることから極度に内向的、ガラス細工の動物を大切にしている娘。母アマンダが極端に可愛がり、かつて自分のもとに数多くの青年紳士の来訪があったように、ローラの元にもそんな紳士がやってくることを期待している。
家族の……というより、アマンダの行動原理がすべて「ローラのために」である分、負担はトムの両肩にのしかかってくるわけだが、一方で一家の緩衝材になっているのもローラの優しさだ。倉科のローラからまず伝わってくるのは、そんな優しさ。倉科の可憐さと相まって本番の舞台ではさらに繊細なローラになるに違いない。

岡田将生、倉科カナ、麻実れいが描くいびつな家族像。上村聡史演出『ガラスの動物園』稽古場レポート

岡田将生
いびつな家族がなんとか破綻せずに保っているのは、やはりお互いへの愛ゆえなのだろう。

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