2021年8月25日 07:00
藤原竜也が演じる天才作家「僕はいつの日か天才と呼ばれなくなりました(笑)」
もう一度売れたいという想いは抱きつつ、現状に若干満足しているところもあって。そこは現代の若者に通じるところがあるなと思ったり。
作家というのはいろんな方がいらっしゃるけど、基本的に僕は作家=ズルいと思っているんですね。作家は、自分の中で答えを持っているから。作家が書いたものが、答え。それを提示されて、僕たち俳優は演じてみてくださいとテストを受けているようなところがある。そのたびにちょっとこしょばいような感じが僕はするんですけど。
良し悪しは抜きにして、作家はちょっとズルくて、他者と比べても何かが欠落している。
そういうイメージは僕にはあって、そのイメージが津田という男と合っていたのかなという気はします。
1週間でトヨエツさんに全部持っていかれました(笑)
――直木賞を獲ってから、この物語に至るまでの津田の描かれていない空白期間を埋める作業はしましたか。
いや、まったく。今回はもう現場に行って、台本に書かれている通りのことをやっていたという感覚です。それだけ台本が良かったということなんでしょうね。何か僕の方で足したりしなくても、その通りにやれば成立できた。
あとは共演者の人たちがうまい人たちばっかりだったから。