フォトグラファーのHALKUZUYAさんのフォトエッセイ「命のてがみ」、最終回です。命を授かり、戸惑い手探りで出産と子育てを乗り越えてきたHALさん。連載期間中にお子さんもいつの間にか大きくなり、ぐいぐいと歩き、成長しています。「自分はちゃんと母親になれたのだろうか?」ーーそんな素直な気持ちを込めて、最後の“てがみ”は綴られています。
「自分の人生のスタートは、じぶんで決めてね、わたしは、いつでも待っているから」
そう語りかけた日の夜、思い切りお腹を蹴り、弾けるように決意表明をした「君」。
またあの時の感覚を思い出す。命の確かな意思を思い出す。
天命なのか、意思なのか。
確かな何かを持ち、その命を宿し、自ら決めた運命の世界へと
自分の意思でやってくるのだと、その時確かに感じた。
そして、わたしは預かりものをしたのだと思う。
それは、大きな喜びと愛に満ちた大切な預かりもの。
時々、その時のことを思い返したいと思う。
大切なものというのは、いつまでもこうして胸の中にしまっておけない。
大きな成長があった今日。
初めての寝返りを見届けました。
これからどんどんと、一人で立って、歩いて生きていくんだね
君のためで、何ができるか必死で考えるけど、
正しい答えなんてないわけで
とりあえず、今日を精一杯愛するのです。