省エネ基準義務化って?住宅・生活にはどんな影響があるの?
【外皮の計算方法も新しいものに変更】一方、外皮の評価方法も従来のものとは変わります。これまでは床面積から算出した「熱損失係数」と「夏期日射取得係数」を活用していましたが、それに代わり、外皮表面積から算出する「外皮平均熱貫流率」と「冷房期の平均日射熱取得率」に変更されました。これは、室内の寒暖差によって急病を起こしてしまう「ヒートショック」や結露の防止など、エネルギー消費量だけでは測ることのできない室内温度分布の観点も考慮されています。そしてこれまであった「年間暖冷房負荷」の基準が廃止となりましたが、断熱性能については旧基準に相当する水準が引き続き求められます。
【地域区分は6から8に変更】改正前は6つだった区分が8つに変更されました。また、すべての区分で「日射遮蔽性能(日射熱取得率)」「断熱性能(熱貫流率)」の基準が設けられていましたが、改正後は区分1〜4に属する寒冷地においては日射遮蔽性能の基準が設けられておらず、区分8に属する蒸暑地においては断熱性能の基準が設けられていません。省エネ基準の判定は、「建築主の判定」と「設計・施工指針」のふたつのルートで行われます。建築主の判定は複雑な計算を用いる必要があるため、特別な支援プログラムが用いられ、一方の設計・施工指針に用いられる「外皮性能簡易計算法」