2019年11月19日 14:00
【スルガ銀行の不正融資】問題の内容・経緯・実態をFPがわかりやすく解説
銀行にとって住宅ローンは金利は低いものの、返済が非常に安定していることから住宅ローンの融資拡大は、取引先が限られる地銀にとって非常に有効な業績アップのための手法だったのです。
ところが、同じ時期に他の銀行も住宅ローンの融資に力を入れ始めたことで、思うように業績が伸びなくなってきました。
スルガ銀行が不動産投資ローンに力を入れた経緯
次にスルガ銀行が打ち出した方針が、個人に対する不動産投資ローンです。
ちょうど同じくらいの時期に、都内を中心にワンルーム投資マンションブームが発生しており、区分マンションに投資したい個人向けの融資の需要が潤沢で、そこに目をつけたスルガ銀行が次から次へとひっきりなしに融資をするようになったのです。
これにより、スルガ銀行は徐々に住宅ローン中心から不動産投資ローン中心の銀行へとシフトしていき、2016年の段階ではすでに融資総額のおよそ80%が不動産投資ローンという状況になっていました。
業績自体は上向きだったものの、融資競争はどんどん激化していき、同じスルガ銀行内部でも支店間や行員間で顧客を取り合うような状況もあったようです。
例えば、東京都内の投資マンションを購入する場合でも、スルガ銀行の新宿支店から融資を受けることもあれば遠く離れた藤沢支店から融資を受けることもありました。