くらし情報『ただならぬ高揚感とわけのわからない至福に涙がこぼれる』

2019年6月13日 20:09

ただならぬ高揚感とわけのわからない至福に涙がこぼれる

ちょっと上ずったような話し方と危なっかしいような華奢な容姿が、揺れっぱなしのヒロイン像にぴたりとはまる。葉子は撮影の合間に1人で街をあてどなくさまよい、迷子になって不安にかられながらも歩き続ける。強風が吹いても、ちぎれもせずにどこまでも風に乗って飛んでいく葉っぱのように自由だ。

加瀬亮が余計なことは一切口にしないベテランのカメラマン、柄本時生が雑用一手を引き受ける、打たれ強いAD、染谷将太が撮れ高至上主義のディレクターを演じ、ウズベキスタンの大スター、アディス・ラジャボフが異なる文化2つを繋ぐ誠実な通訳兼コーディネーター役を丁寧な日本語で演じる。この4人と葉子の距離感は旅を通じて微妙に変化し続ける。

トラブル続発の海外ロケ・エピソード集のように物語は進むが、街を歩きながら角を曲がった先に異空間があり、つながれた白いヤギと出会ったり、思いもよらぬ方向に葉子の冒険が転がっていくのが面白い。

“舞台で歌う”という夢を密かに抱く彼女が、首都タシケントで偶然足を踏み入れた劇場でのシーンが素晴らしい。吸い込まれるように奥へ奥へ、奥へと分け入っていく。現実の中に夢を形にして出現させる演出に魅了される。

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