2019年10月15日 07:00
【鯉八の映画でもみるか。】豪華客船で『男はつらいよ』を1週間見続けた理由とは?
【ムビコレ・コラム】落語家・瀧川鯉八の映画でもみるか。
【鯉八の映画でもみるか。/第3回】
船の上で落語をしたことがある。
羽田から那覇に飛んで港で拾ってもらい、沖縄の島々、奄美大島、台湾を巡って横浜港に帰ってくるという航路。
船といっても漁師さんに向けて落語したわけではない。
超豪華客船。セレブのみ乗ることを許されたというクルーズ旅。
1ヵ月の船旅の、最後の1週間だけ乗ってきた。
毎晩30分だけおしゃべりするだけの楽な仕事だと思ってたのに、全然ウケないから地獄の旅だった。
ウケなかったのは、ぼくのせいでも、ましてやセレブのせいでもない。
潮の香りとバカンスには落語は似合わない。
そう思うようにしている。
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豪華客船には、セレブを飽きさせない工夫がたくさんあって、ビリヤード場もあれば、映画館、高級BARに高級レストランはもちろん、プールまで完備されている。
大浴場もあった。
30分の落語さえ終われば、ぼくも自由に無料で利用していい契約になっていたのだが、1度も楽しむことはなかった。
なぜなら、ドレスコードのためスーツの着用が義務付けられているのだが、ぼくはスーツを持っていないため着物で歩かなければならない。
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