くらし情報『愛するよりも愛されることが得意な人間が、誰かを愛する時に起きることとは?』

2019年11月1日 10:00

愛するよりも愛されることが得意な人間が、誰かを愛する時に起きることとは?

自国にとどまらず、広い世界を相手にしているわりにはナイーブな2人なので強く惹かれ合うのも頷ける。洋子にはアメリカを拠点にする経済学者の婚約者(伊勢谷友介)がいる。蒔野には、演奏以外の仕事一切を任せる若いマネージャー・三谷早苗(桜井ユキ)がいた。2人ともかなり強烈なキャラクターで、主人公と対照をなす配置だ。

日本とパリに離れて暮らし、メールやビデオ通話のやり取りで関係を育んだ蒔野は、婚約者の存在を知りながらも洋子に自分の想いを告げる。そして2人は東京での再会を約束するのだが……。

誰もが携帯電話やSNSで連絡を取り合う今どき、すれ違いなんてどうやって表現するのかと思っていたら灯台下暗しの奥の手があった。蒔野はそういう設定に説得力を持たせる人物像だ。シンガーソングライターであり、俳優である福山は、ほどよく王子様でちょっとだけ浮世から離れたアーティストをうまく演じている。上原謙や佐野周二といった往年の二枚目スターのような雰囲気もあり、ロマンティックな場面も臆さずに堂々と世界を構築する。対する石田には生活感があり、現実を生きる女性の柔らかい強さがある。カフェで女同士が対面するシーンで見せる、あらゆる感情を押し殺して尊厳を保つ姿はとてもエレガントだ。

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