くらし情報『日本の法律を超越する特権組織「日米合同委員会」の闇』

日本の法律を超越する特権組織「日米合同委員会」の闇

2018年4月14日 10:30
 

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hide0714 / PIXTA(ピクスタ)

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アメリカ軍の運用するオスプレイが4月5日、東京の横田基地に到着した。基地前で約15名の市民と称する手練の活動家が横断幕やプラカードを掲げ「日本国民の声を聴かないのか」との非難行動をおこなった。

オスプレイを巡っては、首都圏ですでに横田から南約30キロメートルの米海軍厚木基地(神奈川県)にアメリカ海兵隊普天間飛行場(沖縄県)の所属機が頻繁に飛来して地元との軋轢を生んでおり、基地のある綾瀬市の古塩政由市長も不安を口にしている。

「沖縄に配備された海兵隊の『MV22オスプレイ』は輸送用で、横田配備の空軍の『CV22オスプレイ』は特殊作戦用のため、その分、危険を伴う訓練が行われる可能性があります。自衛隊にしろ米軍にしろ、最近の事故多発が住民の不安を掻き立てているのも事実です。それよりも気掛かりなのは、米軍の兵器類の劣化です。アフガン攻撃以降、アメリカ史上最も長い戦争期が続き、現在はその“戦争疲れ”のような状態です。これに朝鮮半島情勢も加わっている。兵も機材も疲れ、オバマ政権時代の軍事費削減で、部品調達もままなりません」(軍事ジャーナリスト)

■ 在日米軍の法的な特権を司る「日米合同委員会」

しかし、日本にはもっと根本的な問題が横たわっている。米軍機が事故を起こしても日本の調査や捜査が及ばないことだ。

首都圏の空には米軍が管制権をもつ広大な『横田空域』がある。これまで日本の民間機が羽田空港に離着陸する際、この横田空域には侵入できないため、大回りしなければならなかった。今回のオスプレイ配備で、『日米地位協定』の現実、突き詰めれば日米安保の在り方までを意識し、議論を深める機会とするべきだろう。

通常、米軍の運用は公表されないが、オスプレイの飛来については反発が強いため、地元自治体に情報が提供されている。ただ実際は、飛来目的が“補給”や“中継”とされながら、住宅密集地での旋回や着陸後すぐに離陸する『タッチ・アンド・ゴー』など訓練とみられる動きが繰り返されたり、通告なしの飛来もあった。

「厚木基地では空母艦載機部隊が駐屯する岩国基地(山口県)への移駐計画が進行中ですが、米軍は『移駐後も厚木基地を折に触れ使用する』と明言しています。今回のオスプレイの配備は、横田や横須賀などの米軍基地があっても沖縄とは違い、どこか他人ごとだった首都圏の市民に対して、日米安保をリアルなものとして突き付けた印象です」(同・ジャーナリスト)

日米地位協定は、1960年の新日米安保条約第6条に基づいて締結されている。同協定は、在日米軍の法的な特権について定めており、その運用に関して、毎月隔週の木曜日午前11時から定期的な会合が持たれているのだが、その会合が『日米合同委員会』なる名称で呼ばれている。

「委員会で決められた合意事項は非公開で、その一部は議事録にも載らず、総理大臣といえども全貌を知ることは難しい代物です。いわば軍事に関する“裏の法律”といえるものが日米合同委員会で作られ、日本の法律や憲法をもしのぐ効力を持っているのです。ですから日本の主権をないがしろにするだけでなく、米国の属国に甘んじさせる日本植民地体制の維持をもたらす屋台骨的な存在なのです」(社会派ジャーナリスト)

ではどんなメンバーが、ここに名を連ねているのか。

「日本側代表は外務省北米局長で、代表代理は法務省大臣官房長、農水省経営局長、防衛省地方協力局長、外務省北米局参事官、財務省大臣官房審議官。アメリカ側の代表は在日米軍司令部副司令官で、代表代理は在日米国大使館公使、在日米軍司令部第5部長、同陸軍司令部参謀長、同空軍司令部副司令官、同海軍司令部参謀長、同海兵隊基地司令部参謀長の13名が同委員会本会議を構成しています。そしてその下部組織として各種部会が置かれています」(同・ジャーナリスト)

日本のエリート官僚と在日米軍の高級軍人からなる組織…、これら全体を称して『日米合同委員会』と総称されているのだ。

■ 密室協議で生み出されてきた密約の数々

日米合同委員会をもっと厳密に言えば、1952年4月28日に対日講和条約、日米安保条約、日米行政協定(現:地位協定)が発効したのに伴って発足した。合同員会は、以来66年にわたって、日本占領政策を都心の米軍関連施設や外務省の密室で協議を重ねて練ってきたわけだ。

こうした場所での密室協議を通じて、米軍の特権を保障する秘密の合意や密約が生み出されている。例えば米軍人・軍属の犯罪で、著しく重要な事件以外は裁判権を行使しない『在日米軍裁判権放棄密約』がある。ひどい話だが、強姦致傷やひき逃げ死亡事故程度では、日本側は逮捕・起訴・裁判に持ち込めないのだ。こうした日本の司法を除外した密約を以下に列挙してみよう。

  • 身柄引き渡し密約
    被疑者の米軍人・軍属の身柄を日本側で拘束せず米軍側に引き渡す
  • 航空管制委任密約
    首都圏の上空を支配する横田空域での航空管制を、法的根拠もなく米軍に事実上委任したもの
  • 航空管制・米軍機優先密約
    米軍機の飛行に日本側が航空管制上の優先的取り扱いを与える
  • 民事裁判権密約
    米軍機墜落事故などの被害者が、損害賠償を求める裁判に、米軍側は不都合な情報を提供しなくてもよい
  • 4については、今年1月6日に沖縄県うるま市・伊計島の海岸に多用途ヘリ『UH-1』が、8日には読谷村の廃棄物処分場に攻撃ヘリ『AH-1』が、そして23日には渡名喜村・渡名喜島の村営ヘリポートに同型ヘリが不時着しているが、すべてに民事裁判権密約が適用されている。

    「これらの密約は日本の主権を侵害し、『憲法体系』(憲法を頂点とする国内法令の体系)を無視して、米軍に事実上の治外法権を認めるに等しい。情報公開と密約の破棄がいまこそ求められると言えるでしょう」(国際ジャーナリスト)

    日本が真の主権回復を果たし、本当の意味で独立国となるために、米軍一辺倒優位の日米地位協定と日米合同委員会による不平等な“権力構造”の問題を是正するときが来ている。

    【画像】

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