くらし情報『ストップ「雇い止め」!身勝手な企業の非正規切りと戦う方法』

ストップ「雇い止め」!身勝手な企業の非正規切りと戦う方法

2018年6月20日 16:00
 

ストップ「雇い止め」!身勝手な企業の非正規切りと戦う方法

(C)worradirek / Shutterstock

今年4月からパートやアルバイト、契約社員といった有期契約労働者が通算5年を超えて契約更新した場合、期間に定めのない無期雇用への転換を求めることができるようになった。これで非正規労働者の雇用が安定するようになると期待されていたが、実際に施行されると非正規労働者が安定どころか“雇い止め”や《無期雇用を求めない》という誓約書を書かされているケースが起きているという。

実際にあったケースでは、日本通運で契約社員として働いていた女性が2015年6月に交わした雇用契約書で《2013年4月以降、最初に更新した契約から5年を超えて更新することはない》との文言が追加され、上司に確認すると「書式が変わっただけでいままでと変わらない」と説明されたという。だが、その後の契約には今年3月末を超えて契約を更新しないことが盛り込まれ、女性は雇用を打ち切られた。女性側は「契約書への署名は自由な意思に基づいたものではない」と主張し、雇い止めの無効確認などを求めて東京地裁に提訴した。

また福岡県では、13年間にわたって有期雇用した嘱託社員を、定年前の1年間だけ正社員に登用して無期雇用の申し込みを逃れたとして、契約社員男性が勤め先の本社であるNTTコムウェアに対し、地位確認や差額賃金など計約554万円を求めて福岡地裁に提訴するというニュースも報じられた。

仙台市社会福祉協会や日本大学のスポーツ科学部と危機管理学部、東京大学などでも「無期雇用逃れ」と指摘されるようなことが起きている。

さらに法の抜け道として指摘されているのが、6カ月以上の契約空白期間(クーリング期間)を置けば通算の契約期間に数えないという規定だ。自動車メーカー10社のうち7社は、これを利用して通算で5年を超えるのを防いでいたことが厚生労働省の調査で判明している。

ほかにも「年末に突然、『次は更新しない』と言われた」、「12年間働いたのに、能力不足を理由に雇い止めになった」と、有期契約や派遣で働く人たちが加入する全国ユニオンに相談が相次いでいるという。

■ 自治体から異例の注意喚起

これら企業の“雇い止め”に対しては、泣き寝入りするしかないのだろうか。

こうした動きに対し、大阪市労働局は次のようなコメントを発表し、雇用側の身勝手な条件変更を行わないように釘を刺した。
  • 無期転換の権利は有期雇用5年を超えたあらゆる有期契約労働者に発生するものであるから、経営者はこれを受け容れなければならない
  • 2018年4月を控えて、この無期転換を避けることを目的に雇い止めを行なうことは当然認められない
  • これを仮に強行しても、第19条の雇い止め法理に抵触するものとして無効となる
  • 突然契約期間の「上限」などを設定することは、労働条件の不利益変更であると同時に第19条の雇い止め法理に抵触する
  • 第18条第2項で触れられている「クーリング期間」というのは、契約と無契約とが短い周期で頻繁に繰り返されるような職種での、通算契約期間の事後的な確認のためのものなのであって、そもそも契約期間を「切断」するためのものではない。無期転換を妨害するための道具ではない
  • このような本来の趣旨から外れた「クーリング期間」の悪用は認められない
  • 契約の更新に関して、契約書の記載内容に関わりなく、実際に契約更新が一度でも行なわれれば、当然更新期待権は生まれ、契約書に記載されている「更新なし」の記述は無効化される
  • また、契約更新を期待させる言動が経営側からあれば、それも当然更新期待権を生む
  • 契約期間の上限にしろ、契約更新なしであれ、これらは労働条件の一部として募集・面接・採用・更新の最初から明示されていなければならない
  • さらに《このコメントは、特定の個別企業に対してではなく、全ての企業に対する注意喚起、警告である。》ともある。

    無期転換への対象者は全国で約450万人。もちろん無期雇用に転換している企業もあるが、こうした注意喚起を自治体が出さねばならないのが実情だ。

    雇い止めの不安を感じている人や、無期雇用への転換を考えている人は、各自治体の「総合労働相談コーナー」に相談してみるのも手だ。無料・予約不要・秘密厳守で相談に乗ってくれるという。まずは、検索してみよう。

    【画像】

    worradirek / Shutterstock

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