くらし情報『まるでSFディストピア!少年漫画雑誌が伝えた1970年代「日本の公害」の惨状』

まるでSFディストピア!少年漫画雑誌が伝えた1970年代「日本の公害」の惨状

2018年7月1日 10:31
 

今年も光化学スモッグ注意報が発令される季節になった。日本が相次ぐ公害問題で混乱を招いていた時代から、もうすぐ半世紀。今の若者は中国の深刻な環境汚染を見て眉をひそめるかもしれないが、かつての日本は公害大国だったのだ。

今ほどジャーナリズムが衰えていなかった1970年代、各メディアは一斉に公害問題を取り上げ、糾弾した。そのころ、急発展した週刊少年漫画雑誌も例外ではなかった。特に公害問題に熱心だったのが『少年サンデー』で、今見るとマンガ雑誌とは思えぬほど硬派な記事を掲載していた。

まるでSFディストピア!少年漫画雑誌が伝えた1970年代「日本の公害」の惨状

『週刊少年サンデー』(小学館/1970年8月30日号より)

この頃の少年サンデーは、150万部を突破した『少年マガジン』の影響受け、意欲的な記事を連発。このショッキングな表紙に当時の子供読者は驚いたことだろう。

まるでSFディストピア!少年漫画雑誌が伝えた1970年代「日本の公害」の惨状

『週刊少年サンデー』(小学館/1970年8月30日号より)

1970年、光化学スモッグが東京で初めて確認され、ガスマスクを装着した人々が自動車で混み合う道路を、抗議するかのように練り歩く――この写真は、少年サンデー編集部の企画だ。

まるでSFディストピア!少年漫画雑誌が伝えた1970年代「日本の公害」の惨状

『週刊少年サンデー』(小学館/1970年8月30日号より)

泡だらけとなった多摩川の都水道局の取入口付近。これを見たら水がまずくなったように感じたはず。水道の蛇口をあしらったデザインが秀逸だ。

まるでSFディストピア!少年漫画雑誌が伝えた1970年代「日本の公害」の惨状

『週刊少年サンデー』(小学館/1970年9月20日号)

また、少年サンデー編集部は読者投稿による写真を掲載。メディアと読者の連体はこの時代によく見られた手法だ。上の画像は、何千と浮かび上がった奈良県の養殖場の鯉。近くの工場からの廃液により一夜で全滅した。

まるでSFディストピア!少年漫画雑誌が伝えた1970年代「日本の公害」の惨状

『週刊少年サンデー』(小学館/1970年9月20日号)

汚れきって泡立つ多摩川の水。《これまで東京都民の飲料水だった。いまは取水を中止している》とある。

戦後、経済的繁栄だけを目標に盲進した結果、得たのは大阪万博で提示されたような明るい未来ではなく、公害による深刻な国土破壊だった。さまざまな抗議運動が盛り上がったおかげで、公害は目には見えにくくなったが、本当に消えたのだろうか。

光化学スモッグ注意報の発令は1970年代をピークに減少傾向にあったが、最近はまた増えてきている地域もある。“公害”という言葉が風化しつつある今こそ、あの喧騒を思い出す必要があるのではないだろうか。

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