トム・プロジェクト30周年記念公演『かへり花』チケット発売開始 大和田獏、藤吉久美子らが出演する不条理「喜」劇
それでも、書くには書いたのだ、何か言えるだろう、言ってしまえ、そう己に言い聞かせ、こうして独り言ちているわけです。
ただ、そうは言っても書いた本がどう料理されるのかまるで分からないのが演劇です。当てずっぽうで的はずれなことを言っていいものか。子供のない夫婦が、「いずれ生まれてくる僕たちの子供はきっと可愛いくて賢くて親孝行で将来一角の人物になるに違いないよ、だって僕と君の子供だもん」というような話をベッドの中でするのとは訳が違うのです。考えれば考えるほど何も言えなくなります、、、
とは言えです、そういうわけでこれでお終い、なんて文章を書いたら、まあ書き直しでしょう。こういうのをちゃんと書くのも台本係の仕事ですよ、なんて叱られて。出来ればそれは避けたい。人生は書き直しをしていられるほど長くはないのです。
(咳払い)えー、この作品の舞台は、どんな町にでもありそうな「ちびっ子広場」であります。しかしながら、登場人物はみな、どこにでもいそうな大人です、、、そうだったっけ、、、大人のような、、、子供のような、、、大人って何だ、、、俺は大人か、、、あなたも、、、オトナ?
大人とはシワだらけの子供のことである。