日本映画の女性監督第一号 坂根田鶴子の苦難の半生を描く 劇団印象-indian elephant- 第32回公演『女性映画監督第一号』上演決定
編集もこなす助監督として、溝口健二に認められた坂根は、男性スタッフからいじめられる対象でした。そんな中、日本の女性映画監督第一号として、『初姿(はつすがた)』で監督デビューを果たします。
坂根が、男装の麗人よろしく、短髪、ズボン姿で撮影現場を飛び回り、ついに自分が撮りたい映画を見つけるまでが、本作前半の見どころです。道を切り拓こうとする女性パイオニアに、男社会の壁がいかに立ちふさがるのか。2025年の現代でも多くの女性に共感を生む、“ガラスの天井”の問題を、本作も取り上げます。
そして、彼女は満洲へ。
やがて、坂根は満洲に渡り、数々の文化映画(ドキュメンタリー映画)を監督します。しかし、彼女が手掛けた映画は、満洲という日本の傀儡国家を正当化したプロパガンダ映画だと、後年評価されます。
坂根が、魂を込めて作った映画『開拓の花嫁』が、どんな映画だったのか、それを描いた場面が、本作後半の見どころです。
作・演出より
日本映画の女性監督第一号は、巨匠溝口健二の下で助監督として働き、満映(満洲映画協会)で文化映画(ドキュメンタリー映画)の監督として活躍した坂根田鶴子であった。
大正、昭和の日本映画で描かれる女性は、愛欲や恋愛の対象であることがほとんどだった。