日本独自の擦弦楽器「胡弓」の演奏家、木場大輔のリサイタル開催決定 伝統曲から世界唯一の巨大三味線「豪絃」を使用した最先端のアプローチまで
※「絃」と「弦」について 日本の伝統楽器に関しては楽器に張った「いと」を示す「絃」を、広く楽器全般に関しては現在一般的な 「弦」を用いることを基本姿勢としています。
曲目紹介
1.胡弓本曲「千鳥の曲」
吉沢検校 作曲(19世紀中期)
胡弓 木場大輔歌・箏 日原藤花維柯
胡弓は江戸時代、当道座※1 に属する盲人音楽家により三味線や箏とともに芸術的に洗練され、上方と江戸を中心にいくつかの流派と、胡弓を主奏楽器とする「胡弓本曲」が生まれた。「千鳥の曲」は、幕末に名古屋で活躍した吉沢検校作曲の胡弓本曲。のちに箏曲化され、箏曲としては演奏機会が多い人気曲である一方で、本来の胡弓本曲として聴ける機会は稀である。 胡弓本曲として胡弓と箏の緻密な絡み合いに焦点を当てて取り上げる。
※1 当道座…幕府が公認した、盲人による平家琵琶・三絃・箏・胡弓・鍼灸などの職能団体。
2.豪絃と三味線による新作(初演)
木場大輔 作曲杵屋浅吉 三味線手付杵屋佐吉 監修
豪絃 木場大輔三味線 杵屋浅吉
杵屋佐吉家に伝わる世界唯一の巨大な三味線「豪絃」を、コントラバス弓で擦奏し、重低音の胡弓として使用する。豪絃の発表から100年の節目にあたる本年、豪絃を継承する当代杵屋佐吉氏の子息・杵屋浅吉氏との共演により、豪絃の原点を見据えつつさらなる可能性を探求する。