日本独自の擦弦楽器「胡弓」の演奏家、木場大輔のリサイタル開催決定 伝統曲から世界唯一の巨大三味線「豪絃」を使用した最先端のアプローチまで
3.三曲合奏「松竹梅」(胡弓新手付初演)
三つ橋勾当 作曲(18世紀末) 木場大輔 胡弓手付
歌・三絃 菊央雄司歌・箏 岡村慎太郎胡弓 木場大輔
「三曲合奏」とは、三絃※2と箏に、胡弓または尺八が加わる合奏形態。江戸期には尺八は虚無僧以外の吹奏が禁じられていたため、胡弓を用いることが普通であった。「松竹梅」は、大阪の三つ橋勾当により18世紀末頃に成立した地歌※3。三絃・箏・胡弓による三曲合奏の形で演奏する。胡弓の緻密で高度な器楽性の継承発展に挑むという観点から、今回全編を新たに胡弓手付し初演する。今と未来に伝えてゆくべき古典曲の価値を、その本質を崩さずに伝えて行くための一つのプロセスであり、課題への挑みとして実践する。※2 三絃…地歌における三味線の正式名称。
※3 地歌…上方発祥の三味線音楽。
三味線音楽の中で最も長い歴史を持つ。
出演者プロフィール
木場大輔(きばだいすけ)
胡弓演奏家・作曲家。淡路島出身。甲陽音楽学院にて音楽理論とピアノを学ぶ。古典胡弓を原一男師に師事。一方で京都・大阪・東京の古典胡弓および文楽、風の盆、尾張万歳など日本各地で伝わる胡弓の奏法を研究。それらを組合せた演奏法の開発や、低音域を拡張した四絃胡弓の開発、作曲など、胡弓の伝統に新たな光を当てている。