
「書店員が選ぶノンフィクション大賞」授賞式に登場した西加奈子氏
直木賞作家の西加奈子氏が16日、都内で行われた「書店員が選ぶノンフィクション大賞オールタイムベスト2023」授賞式に登壇。初のノンフィクション『くもをさがす』(河出書房新社)が「書店員が選ぶノンフィクション大賞オールタイムベスト2023」に選ばれたことを受け、感想を語った。
同書は、2021年コロナ禍の最中、滞在先のカナダで浸潤性乳管がんを宣告された西氏が、乳がん発覚から治療を終えるまでの約8ヶ月間をユーモラスかつ、克明に描いたもの。
「私にとって書店は人生を変えてくれた本に出会えた特別な場所。ですから書店員さんに選んでもらったということは意味があり、幸福なこと。ありがとうございます」と率直な思いを述べた。西さんにとって書店はどんな存在かと問われると「信頼できる場所であり、絶対になくなってはいけない場所」と真剣な表情で語った。
「こんなにたくさんの“あなた”に届けることができて幸福です。
『くもをさがす』は、私が生き残ったから書けた作品。こうやって盛り上げてもらったことは、私が生きていることを祝福してもらっているような気持ち」