エミー賞授賞式の視聴率も好転させた『SHOGUN 将軍』 ディズニーひとり勝ちの要因
こうした姿勢もまたディズニーが長年取り組んできた、今の時代に必要な多様性と包括性を象徴するもの」だとアピールし、真田が度々語ってきた「オーセンティック(本物志向)へのこだわり」の追求が勝因と同社は分析している。
『SHOGUN 将軍』の製作を手がけたのは、ディズニー傘下のFXプロダクション。2000年代以降、画期的な作品群で業界をリードしてきた。今回の「エミー賞」では、ネットワーク別の受賞数ではNetflix、HBO/Maxをしのぐ36を記録する大躍進をみせた。
コメディシリーズ部門では『一流シェフのファミリーレストラン』シーズン2が11冠を達成し、自作が持っていたシーズン1の記録を更新する形で新記録を樹立。人生に行き詰まった人々が集まり、レストランを再建するというシンプルなストーリーラインでありながら、スタイリッシュな映像と見応えのある人間ドラマを描いて普遍的な感動を伝え、米国で絶大な人気を博している。また、キャストのライザ・コロン=ザヤスが、ラテン系俳優として初の助演女優賞を受賞した。
ほかにも、今回の「エミー賞」ではディズニーが持つ制作スタジオの健闘が際立った。
3部門の受賞を果たした、ハリウッドの重鎮たちが共演するミステリー・コメディ『マーダーズ・イン・ビルディング』シーズン3や、TV映画部門の作品賞を受賞したオークワフィナとサンドラ・オーのアジア系女性が主演を務めた『クイズ・レディー』は、ディズニー傘下のHulu/20世紀テレビジョンの作品。