いつか、わたしの忘れ形見となる、大切なもの。【my lovely simple life in London vol.7】
と。
ちょっと恥ずかしいと同時に、これは、父が何十年も温めて私にくれたプレゼントなんだなと思った。
勿論、本当は当時人気のあった小さいサイズが欲しかったけれど、ストック切れで、ホールドオールしかなく、きっとまたお店に戻るのは面倒だった父が、「お前は身体が大きいからこれくらいの大きさの方がいいのではないか」といい、まだ若く傷つく心も多少はもっていた私が渋々それに従った事は内緒にしておいた。
「私達は自社の製品が時を経ていろんなストーリーがつき、受け継がれていくというのが一番うれしいのです、そのためのクオリティなのです。これを、いつかお母さん想いのお嬢さんが受け継ぐのですね」と、娘にも言ってくださった。忘れられない出来事。それに、バッグへの愛着がよりいっそう深まったのは言うまでもない。
そして、3つめは、ボンドストリートのミキモトでかった小さな真珠のピアス。
これは、片方が6歳のお誕生日を待たずして心臓発作で死んでしまった犬のマーフィーの思い出、もう片方は、私が乗馬をはじめてすぐに乗り出して以来いろんなことを私に教えてくれた馬のマンフライデーの思い出(安楽死をさせてすぐだった)