2012年3月15日 15:01
ドラマは“沈黙”の中にある。M・ストリープが語る映画『マーガレット・サッチャー』
メリル・ストリープが英国初の女性首相を演じ、本年度米アカデミー賞主演女優賞に輝いた映画『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』が16日(金)から日本公開される。これまで幾度となくオスカーにノミネートされ、世界最高の女優のひとりとして活動するストリープは本作にどう向き合ったのか? 先ごろ来日した際に話を聞いた。
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『マーガレット・サッチャー…』は、現段階において英国史唯一の女性首相であり、その強い信念から“鉄の女”と称されたサッチャーの生涯を描いた作品だ。ストリープは本作のためにリサーチを重ね、サッチャーの口調やブリティッシュ・アクセントを完璧に再現した。しかし、この役の見どころは、彼女が“沈黙”する場面にある。セリフのある場面は、過去の記録映像を参考に口調を真似することができるが、セリフのない場面では俳優がその人物に成りきらなければシーンが成立しないからだ。ストリープも「女優として台本をもらうと『私のセリフはどこかしら?』と、そこばかり読んでしまうけど、セリフのない場面がどのように描かれているかが大事だし、そういう場面で観客は想像力を働かせて人物の内面に入り込もうとします」