くらし情報『「長所は、時に欠点になる」 監督が語る『マーガレット・サッチャー…』』

2012年3月21日 18:20

「長所は、時に欠点になる」 監督が語る『マーガレット・サッチャー…』

映画だけでなく、舞台劇の演出も手がけるロイド監督は、この物語に一瞬にして魅了され、主演女優に再びストリープを指名した。「この映画の中では、セリフのない場面が重要な役割を果たします。サッチャーを表現するエッセンス、それは“彼女の孤独”だからです。もし、メリルほどの才能やキャリアをもたない女優が演じていれば、サッチャーがジッと座っている場面や、ひとりで何かを書いている場面はあそこまでの感動を呼ばなかったでしょう。この映画では、メリルが体や仕草で表現するエッセンスが重要な役割を果たしますし、本作の“ハート”の部分だと言ってよいと思います」。

逆境に立ち向かい、決して己を曲げず、信念を貫き通してきたサッチャー。その功績は現在もなお賛否をもって取り上げられるが、ロイド監督はそこに“普遍的な人間ドラマ”を見出したという。「サッチャーの意志や確信の強さは、彼女の長所でした。
しかし、それがときに横柄さや頑固さにもつながりました。権力を手にした人間の強みは、時に欠点になる。私はそこに普遍的なドラマを感じたのです」。日本では現代英国史やサッチャー首相の功績に明るい人は多くはないだろう。しかし、映画『マーガレット・サッチャー…』は、どんな時代のどんな国の観客にも通じるドラマをじっくりと描いている。

『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』
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