くらし情報『ウディ・アレンが語る新作『ミッドナイト・イン・パリ』』

2012年5月15日 14:54

ウディ・アレンが語る新作『ミッドナイト・イン・パリ』

すなわち、その時代には非常に神話的雰囲気があったんだ」。“ボヘミアン”とは、それまでの慣習や常識に囚われずに自由奔放に生きようとする人たちのこと。1920年代は第一次世界大戦が終わり、第二次世界大戦が始まる前の激動の時代で、芸術家たちは感性を研ぎ澄まして、狂乱の時代に立ち向かおうとした。そんな1920年代のパリは、まさに“芸術の都”であったに違いない。

しかし本作は、誰よりも皮肉屋で悲観的なアレン監督の新作だ。“あの時代は良かった”なんて映画になるわけがない。「1920年代のパリに行きたいし、ベル・エポック時代(“良き時代”の意味で、主に19世紀末から20世紀初頭までを指す。ちなみに1920年代は“レ・ザネ・フォル/狂乱の時代”と称される)のパリにも行きたい。
でも1日だけで十分。その時代に住みたいとは思わないんだ。だってエアコンがないところには住めないし、抗生物質がないところにも住めない。僕は、今の時代の便利さに慣れすぎてしまったと思っているよ」。まるでアレン監督がこれまでの作品で演じてきたキャラクターが口にしそうな答えだが、アレン監督のこのバランス感覚が本作を魅力的にしているといって良いだろう。

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