2012年9月19日 14:39
新たな日本映画のあり方を模索する『蜃気楼』製作報告イベントが開催
国内外の映画祭に招待され、次代を担う若手監督と注目されている竹馬靖具(ちくまやすとも)監督の長編第2作『蜃気楼』の製作発表イベントが18日に都内で行われ、竹馬監督とメディアライターの佐々木俊尚がトークゲストで登壇した。
今回のイベントは、一般客でもTwitterやブログ等の発信ツールを使って宣伝に協力できる場合は、入場料金が完全チップ制になるという大胆な試みがとられた。会場には「既存のシステムでは作ることのできなかった、これまでになく自由で、力強い作品を製作します」という製作側の意図に共感した若い世代の観客の姿が目立った。
佐々木は竹馬監督の前作『今、僕は』について、「カメラのブレ具合や画質のザラザラ加減などまるでラース・フォン・トリアーの映画のよう」と評価。「一転して『蜃気楼』はすごく静かで美しくて、一体どんな映画に仕上がるか楽しみ」と早くも新作への期待を口にした。また、今年の春に『当事者の時代』という著書を出版した佐々木らしく、トークは“映画における当事者性”をテーマに進められていくことに。「今の時代は観客であれ作り手であれ当事者性を求められている。『今、僕は』は、自ら語られることのない地方のリアルが、上から目線ではなく描かれている。