2012年12月19日 18:05
“超個性派”リス・エヴァンス、話題の歴史ミステリーに自ら志願
エリザベス朝のコスチュームに身を包み、格調と気品あふれるイギリス貴族に変身した彼が、キャラクターの持つ気高い知的さを見事に演じきった。舞台俳優としてキャリアを歩み始めたエヴァンスだからこその“底力”が、主人公に生身の説得力を息づかせている。
「きっと製作陣が僕に望むのはシェイクスピアの役だろうけど、実際はオックスフォード伯を演じてみたかった。そこでローランドに言ったんだ。もしあなたが“乗りやすい馬”が欲しいなら、僕にシェイクスピア役をオファーするでしょう。でももしあなたが“勇気ある男”になりたいなら、オックスフォード伯をくださいってね」(エヴァンス)。この言葉に心動かされたエメリッヒ監督は、エヴァンスの起用を即決し「実際、リスは素晴らしい演技をし、それも楽々と演じたと言ってもいいほどだった。リスは現場で役に変身していくタイプ。
身のこなしもまったく変わるし、まさにオックスフォード伯がそこに現れるんだ」と手放しで絶賛している。
数々の名作を生み出しながら、名前を隠すことになったオックスフォード伯の半生をエリザベス一世との愛憎、宮廷を舞台にした政治謀略の渦などを交え重厚に描く本作。エヴァンスをはじめ、デヴィッド・シューリス、ヴァネッサ・レッドグレイヴ、そして“サー”の称号を持つ現代最高のシェイクスピア俳優であるデレク・ジャコビ卿など、英国ファンにはたまらない豪華キャストのアンサンブルも大きな見どころだ。