第11回を迎えた“SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2014”は『約束のマッターホルン』が最優秀作品賞に輝き、27日に閉幕した。開催を通じて感じたのは、長編部門にノミネートされた海外作品のレベルの高さ。中でも映画に関して日本ではあまり馴染みのない国の新人監督たちの豊かな才能と世界を見つめる鋭い眼が印象に残った。
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惜しくも受賞を逃したが『青、そして少しだけピンク』は同性愛者でありながら息子を持つ父である男性と彼を取り巻く人々の人間模様を描いたドラマ。手掛けたベネズエラのミゲル・フェラーリ監督は「中南米の多くの国でまだ根強く残るゲイや同性愛への偏見を少しでも変えたかった」とのこと。その想いは届きベネズエラでは異例のロングランヒットになったそうだ。
同じく受賞を逃したがセルビアのミロシュ・プシッチ監督が手掛けた『帰郷』も印象深い1作。若者の海外流出、村の過疎化といった自国の問題から今の世界で起こりつつある事象につなげる視点が鋭い。
監督は「権力を持つ者ではなく、名もなき人々の視点に立って物事を見つめていきたい。ケン・ローチ監督のような社会にコミットした作品を今後も目指したい」と語る。