日本のカルチャーを代表する“マンガ”。その巨匠といえば手塚治虫が浮かぶが、手塚が嫉妬したクリエイターがいる。“劇画”の名付け親、辰巳ヨシヒロだ。『TATSUMI マンガに革命を起こした男』は、辰巳の半生を、彼の短編5本と2008年に書籍化された自伝エッセイマンガ『劇画漂流』を軸に、新たな描き下ろしを加えて映画化したアニメーション。監督のエリック・クーが“辰巳センセイ”への愛を語る。
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辰巳のマンガは、大人のためのストーリーマンガであり、それまでのマンガと一線を画すために彼は自らのスタイルを“劇画”と称した。彼の世界に20年前に初めて触れ、本作を手掛けたのは、日本人ではなくシンガポールのエリック・クー監督だった。「2011年に完成した本作は、ヨーロッパやアメリカ、アジアの多くの国々で公開済みです。
日本では東京国際映画祭での上映はありましたけれど、劇場公開はなく、正直、どうしてなんだ~!とじりじりした気持ちでいました(笑)。今回、こうして上映が決まり、喜びでいっぱいです。辰巳センセイはヨーロッパやアメリカのコミック店では、手塚治虫氏や水木しげる氏の隣に置かれている方なんですよ」。