銃乱射事件でひとり息子を失った父親が、息子が書き残した曲を歌い継ごうとする感動作『君が生きた証』。監督は『ファーゴ』『マグノリア』など数々の名作に出演、最近ではTVシリーズ『シェイムレス俺たちに恥はない』の主演している名優ウィリアム・H・メイシー。ハリウッド中の尊敬を集める63歳のベテランが、監督デビューという新しいチャレンジについて電話インタビューで語った。
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舞台からキャリアをスタートさせ、映画界でも35年のキャリアを誇るメイシーだが、長編映画を監督したのは今回が初。メイシーはその理由を演劇用語になぞらえて「人生の“第三幕”は短いからね」と語る。「50歳になった時に妻から『いよいよ第三幕が始まるわね、あなたの望みはなに?』と訊かれて、自分がいつかやってみたいと思っていた監督業を実現させるべきだと気付いたんだ」
エージェントから送られてきた脚本を気に入って選んだ『君が生きた証』だったが、低予算の企画にも関わらず「湖で50艘のヨットがレース」「街中でロックフェス」といった部分は読み飛ばしてしまっていたという。それでも実現にこぎつけたのは、ひとえに脚本に惚れ込んだメイシーとスタッフの献身と努力の賜物だった。