今年4月に106歳でこの世を去った巨匠マノエル・ド・オリヴェイラ監督が101歳の時に手がけた映画『アンジェリカの微笑み』が12月に公開されることが決定し、ポスター画像が公開になった。
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1908年にポルトガルで生まれたオリヴェイラ監督は、作家のシモーヌ=ド=ボーボワールや、映画監督のマキノ雅弘、文化人類学者のクロード=レヴィ=ストロースらと同じ歳で、70歳を超えてから創作のペースをあげ、『神曲』ではベネチア映画祭の審査員賞を、『クレーヴの奥方』ではカンヌ映画祭審査員賞を受賞するなど高い評価を集めてきた。長らく“現役最高齢の映画監督”として知られてきたが、今年4月にこの世を去った。
そんなオリヴェイラ監督が2010年に製作するも、日本で公開されていなかった作品が『アンジェリカの微笑み』だ。本作の舞台はポルトガルのドウロ河流域の小さな町。カメラが趣味の青年イザクは、若くして亡くなった美しい女性アンジェリカの撮影を依頼される。町でも有数の富豪の家を訪れた彼は静かに横たわるアンジェリカにカメラを向け、ファインダーを覗くが、その瞬間にアンジェリカはまぶたを開けて、イザクに微笑みかける。