リドリー・スコット監督の最新作『オデッセイ』が、トロント映画祭で世界プレミアされた。原作は、アンディ・ウィアーが書いたSF小説。宇宙飛行士マーク(マット・デイモン)は、火星への視察旅行中、悪天候のため死亡したと思われ、仲間は彼を残して地球に向かう。だが、実は彼は死んでいなかった。それを伝える手段も閉ざされた上、基地に残された食品の量は限られている。そんな中、マークは、火星にジャガイモを植えるという試みをしつつ、地球と連絡を取ろうとする。
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映画は、ほぼデイモンのひとり芝居。だが、公式会見でデイモンは、そのことに不安はなかったと語った。
「脚本がすばらしかったし、途中で、地上や(マークを残して飛び去った)宇宙船のシーンも出てくる。最初から最後まで僕が出づっぱりで観客を退屈させる、ということにはならないだろうと思ったよ。万一、そういう状態になったら、僕以外の人たちのシーンをより頻繁に入れて、変化をつければいいわけだしね」(デイモン)。
ウィアーは今作で作家デビューを果たした新人小説家。自分が書いた小説が、米大手出版社から発行されただけでなく、時を待たずして映画化されたという事実を、本人はまだ信じられないでいる。