くらし情報『普通の家族の“崩壊”を描く『葛城事件』本編映像』

2016年6月13日 17:10

普通の家族の“崩壊”を描く『葛城事件』本編映像

普通の家族の“崩壊”を描く『葛城事件』本編映像

『葛城事件』 (C)2016「葛城事件」製作委員会


『その夜の侍』の赤堀雅秋監督が三浦友和を主演に迎えた新作映画『葛城事件』の本編映像の一部が公開になった。葛城家が朝、居間に集まって食事をするシーンで、一見、どこにでもいる家族のように見えるが、やりとりの端々に“不穏な空気”が漂っており、物語の展開が気になる映像になっている。

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映画の主人公になる葛城家は、家業の金物屋を継いだ父の清と妻の伸子、長男の保、次男の稔の4人家族。郊外に一軒屋をかまえており、このほど公開になったシーンでは、清と伸子が朝、残りもののピザを食べているシーンから始まる。保は出勤前で両親に自立して家を出ることを宣言。遅れておきてきた稔が居間に合流する。

どこにでもある家族の朝の風景に見えるが、赤堀監督は何げない日常の奥に潜む人間の本音や、隠し事、暴力性を繊細に描くことに長けており、このシーンでも家族のやりとりが行き違う瞬間や、同じテーブルに座らない人間がいること、目線が合わない人物を配置するなどして、葛城家の“崩壊の予感”を描きだしている。この後、家族を守ろうとするあまり高圧的になっていく父と、そのことに意見できない母、従順すぎるために苦しむ長男、いつも兄と比較されてきた次男のストレスや不安は大きくなっていき、葛城家は“どこにでもいる家族”のはずなのに、崩壊へと向かう。

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