『ハイ・ライズ』を製作したジェレミー・トーマス
『クラッシュ』『コンクリート・アイランド』のJ・G・バラードの小説を映画化した『ハイ・ライズ』が今週末から公開になる。本作のプロデューサーを務めたのは英国人ジェレミー・トーマスで、1975年に原作小説が出たときから映画化を模索し続けてきたという。
その他の画像
ジェレミー・トーマスは、ケン・ローチ監督のスタッフとして映画界に入り、『戦場のメリー・クリスマス』『ラスト・エンペラー』『裸のランチ』など数多くの名作を手がけてきた映画製作者で、バラードの小説『ハイ・ライズ』が出版された段階から映画化を希望していたという。「本が出た当時は、別の人間が映画化権を持っていました。しかし、長い時間をかけて、10年ほど前に映画化権を得ることができました」
本作の舞台は、美しい外観の高層マンション(ハイ・ライズ)で、理想のライフスタイルを求める人々が集い、毎晩のようにパーティを開いては新生活を楽しんでいたが、ささいな事件をきっかけに住人の問題が顕在化し、マンションは内部から崩壊していく。現在社会の実像を鋭くえぐる題材で、トーマスは「『クラッシュ』同様、この小説は映画化するのは難しい題材で、脚色には長い時間をかけましたが、なかなかうまくはいきませんでした」