上野樹里、リリー・フランキー、藤竜也
マイペースに生きる34歳の彩(上野樹里)は、バイト先のコンビニで出逢った冴えない54歳の伊藤さん(リリー・フランキー)と同棲をしていた。そこに息子夫婦の家を追い出された74歳のお父さん(藤竜也)が急に訪れ、共同生活が始まった。長年教員をしていた頑固者のお父さんと、彩より20歳も年上でフリーターの伊藤さんとの共同生活は、当然一筋縄ではいかない。「小説を読んだ感じだと、シリアスにもなり得る作品だと思った」と上野が言うように、綺麗事では済まされない現実もリアルに描かれている。
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「お父さんは伊藤さんのことを聞きたいんだろうな、ってわかるから、逆に堂々とかわしちゃう。そういう娘の生意気なところが、父からすると憎いと思うんですよ」と上野が言うと、藤は「お父さんは、娘の自我が強くなっていった時代も見ているから、それは慣れているんじゃないかな。それなのに、頭で決め過ぎちゃっていて嫌なオヤジだなって思ったよ」と応える。そんなふたりを俯瞰しながら、「愛おしい家族ですよね」と穏やかに微笑むリリーは、さながら伊藤さんのようだ。
「伊藤さんは最後までこの親子を静観しているところがあると思うんですよね。