くらし情報『主役は運命!有名な序曲に秘められた愛と復讐の物語』

2015年4月3日 18:00

主役は運命!有名な序曲に秘められた愛と復讐の物語

主役は運命!有名な序曲に秘められた愛と復讐の物語
オペラ『運命の力』といえば、誰もが思い出すのがあの序曲だ。ベートーヴェンの「運命」と同様に、まるで「運命」がその到来を告げるかのようなファンファーレ。つづいてオペラに登場する劇的で美しいメロディが次々に現れる。ヴェルディの序曲、というよりオーケストラ曲として一、二を争う名曲だが、オペラそのものの上演は少ない。新国立劇場でも8年ぶりとなる本作が、4月2日に初日を迎えた。

新国立劇場オペラ「運命の力」のチケット情報

物語の舞台はスペイン。混血児で英雄気質の主人公ドン・アルヴァーロと侯爵令嬢レオノーラは愛しあっているが、血統を重んじる侯爵によって駆け落ちを阻止される。ところが、観念して投げ捨てたはずのアルヴァーロの拳銃が事故で暴発し、侯爵は絶命してしまう。
ここから、恋人たちの悲運と、レオノーラの兄ドン・カルロによる復讐の物語がはじまる。もはや主役は「運命」なのではないかと思えるほど、悲しい偶然の連続がアルヴァーロを追いつめていく。

演出家エミリオ・サージによる今回のプロダクションは、舞台を20世紀前半のスペインの国民軍に再設定したことで、「運命」とともに「戦争の狂気」が生々しく迫ってくるのが特徴的だ。

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